キャリア教育

 

2025年3月15日(土)「スーパーアカデミア 最先端と最前線の超一級講座」は広尾学園が行ってきたキャリア教育の総決算となります。


この日は日本全国から、21世紀の最先端を究めようとする科学者、最前線で活躍するジャーナリストなど、日本の現在と未来を支える方々が広尾学園に結集します。


この35講座が、生徒たちの学問への憧憬の念を育て、文化や科学技術の高みをはるかに見上げる良い機会となることを願っています。


『海洋底から探る地球内部の未踏領域』
国立研究開発法人 海洋研究開発機構 主任研究員 阿部 なつ江先生

地球表面を覆う十数枚のプレートは、マントルの対流によって生成・移動・消滅を繰り返し、地震や火山活動、造山運動などの自然現象を引き起こします。このプレートの動き(プレートテクトニクス)は、生命が存在する水惑星「地球」だけに見られる特徴ですが、マントル対流の粘性や正確な温度、対流速度などの重要な要素は未解明です。私たちの住む星「地球」の成り立ちや生命の起源、さらに地球が将来どのような姿になるのかを明らかにするため、海底調査や海洋掘削といった方法で地球内部のマントルを詳しく調べる研究が進められています。

『153 は不思議な数』 学習院大学 名誉教授 飯高 茂先生

1,5,3 をそれぞれ3乗すると 1,125,27. これらを足すと 153
 一般に3の倍数nを10 進展開して各位の数を3乗して足してできた数を記号で F(n) と書きます. m=F(n) が153 でないなら F(m) を求め153 でないなら繰り返します各自でやってください.。
 問題 1 153 までに何回かかるか調べます 問題2 3で割ったら1余る数に対しておない操作をしてみようこの問題は手間がかかるので 4 人で組を作り各自で分担して課題を進め結果を発表してください

『公認会計士のお仕事』 公認会計士 税理士事務所 株式会社ラウレア代表 飯塚 幸子先生

皆さんは『公認会計士』がどのような仕事をしているか、ご存知ですか?『公認会計士』は会計の専門家であり、医師や弁護士と並ぶ3大国家資格のひとつです。『公認会計士』がどのようなお仕事をしているかをご紹介するとともに、私のように起業もできる資格なので、『公認会計士』の活躍の場の広さをご紹介できればと思います。皆さんが今後キャリアを考える中での参考となれば幸いです。

『アーティストとして生きる。感受性を隠さない。感性を研ぎ澄ます』
アーティスト 株式会社OOL 代表 イイノナホ先生

30年以上ガラスという素材に魅せられて作品をつくっています。ガラスという素材がアーティストの手に渡ってからわずか60年ほどです。なのでまだまだ可能性がある面白い素材です。日本にアートという言葉が入って来たのは明治時代です。その時に美術、芸術という言葉に翻訳されました。
それ以前は一体美術ってなんだったのか、自分達が持っている素晴らしい感性についてガラス作品を見ながらお話ができればと思います。

『これからの街づくりとAIロボット ~人とAIが共創する未来をどう生きるか~』
麻布台商店街 会長 兼 ロボット起業家 伊澤 諒太先生

ロボット開発会社の起業家として、日本を代表する大企業や行政、商店会、町会など多世代かつ多種多様な人々と新しい街づくりプロジェクトを共創してきた観点から、これからの街づくりを担う社会課題解決型のAIロボット開発や起業のお話をします。
中高生の皆さんに新たな社会的起業や夢の実現について考えるきっかけを提供します。

『オリジナル結婚式を創る ~ユニークベニューウェディング~』 株式会社Ginger 代表 磯石 裕子先生

私たちは京都と沖縄を拠点にウェディングサービス、スムージースタンド、リゾートホテル運営を手がけるベンチャー企業です。今回はウェディングプランナーを目指したキッカケ、プランナーの仕事内容、会社員から起業して社長になるまでの道のり、婚礼業界のこれまでと今、オリジナルウェディングを通して叶えたいこと、これから目指す株式会社Gingerの姿をお話しします。

『宇宙建築技術が開く未来とイノベーションの生み方』
株式会社Space Quariers 代表取締役CEO 大西 正悟先生

世界における宇宙開発の歴史とトレンド、そして宇宙開発をする意義とその先にある未来について考えます。その上で、弊社が取り組む宇宙建築技術と事業の紹介を行い、我々が何を解決しどのような未来を創ろうとしているのかを御紹介します。 また、私が独自の宇宙建築技術やその他過去に複数分野で研究・開発し、事業を立ち上げてきた経験から思うイノベーションを起こすために必要なことと、生きる上でのメッセージをお伝えします。

『渋谷から始める都市農業が変える人と社会の暮らしと未来』
渋谷の農家 渋谷区ふれあい植物センター園長 小倉 崇先生

渋谷・道玄坂にライブハウスを作ってから8年。現在は、原宿、渋谷、恵比寿に畑を作り、約850名の市民メンバーが参加するNPO団体の代表と、一昨年の夏にリニューアルオープンした「渋谷区ふれあい植物センター」の園長をつとめています。渋谷という都会の象徴のような場所で、農業をすることにどんな価値があると思いますか。都市農業は、食育や食料の自給、co2削減など環境課題の解決、さらには心身のヘルスケアにも有効です。これからの社会を担うみなさんに、そんな都市農業の魅力と価値と可能性についてお話ししたいと思います。

『バーチャルな自分を見つける脳』
産業技術総合研究所 人間情報インタラクション研究部門 主任研究員 金山 範明先生

近年バーチャルリアリティなどにより、“現実ではないものをあたかも現実であるように認識する”という体験が一般的になっています。この講座では「幽体離脱」やバーチャルリアリティ上での「自分に関する錯覚」と、それを支える脳のはたらきを紹介し、いかに現実や自分という認識さえ変化するものなのかということを理解します。また自分とは何か、現実とは何かという哲学的な問いを、ニューロサイエンスで理解する方法の是非を紹介し、みなさんと一緒に今後の社会の在り方を考えでみましょう。

『外交官という仕事-日本の国益と国際社会の課題解決のために国際情勢の今と外交官の役割: あなたにできること』 外務省 川口 健太先生

ウクライナ情勢や気候変動、経済危機など、日々のニュースで取り上げられる国際問題。各国の外交官は、これらの課題解決や自国の国益の実現に向け、日々仕事に取り組んでいます。本講座では、最新の国際情勢に触れつつ、外交官の仕事とその魅力についてお話ししたいと思います。将来、外交官に限らず国際的な仕事に就くことを検討されている方は、ぜひご参加いただき、色々と質問もしていただけたら幸いです。全力で疑問にお答えします!!

『素粒子ミュオンを使って貴重資料を非破壊・非接触で分析する』
ICU国際基督教大学 教養学部 アーツ・サイエンス学科教授 久保 謙哉先生

モノがどのような元素からできているかを調べるのは化学の第一歩である.しかし文化財や貴重な資料については,分析する意義が大きいモノほど化学分析のために傷をつけたり損なったりできない.寿命が45万分の1秒であるミュオンという素粒子を使うと,モノの表面から内部までの元素組成を非接触で分析できる.ミュオンを化学分析に使える研究は世界中で5か所しかないが,茨城県東海村のJ-PARC施設で江戸時代の小判や,小惑星リュウグウの試料,緒方洪庵の使った開かずのガラス瓶内の薬の分析を行った結果を紹介する.

『ロボットひとすじ50年、ロボット研究っておもしろい!』
産業技術総合研究所 情報・人間工学領域連携推進室 キャリアエキスパート 阪口 健先生

子供の頃からロボット博士に憧れ、大学でロボット工学を専攻し博士課程修了後、機械技術研究所に入り組織改変後の産総研でもロボットの研究開発に携わってきました。産総研ではHRP-2を筆頭に様々な「働く人間型ロボット」を研究開発してきましたが、HRP-5Pでは特に、人間の環境がそのまま使え、人間の代わりに重労働作業を行えるロボットとして運用できるように研究開発を行いました。講義では、何故ヒューマノイド(人間型)なのか、ヒューマノイドロボットを開発する意義はどこにあるのかなどを含めて、実環境で働くヒト型ロボット開発について紹介するとともに、世界の動向も紹介し、研究者を目指すにはどうしたらよいかにも触れる予定です。

『AIであっという間にアプリ開発!? これから必要なのは“コミュ力”だ!』
株式会社YuBASE 代表取締役 坂尻 愛明先生

近年のAI技術の進歩によって、これまで難しかったアプリ開発が驚くほど身近になりました。では、そんなAI時代のエンジニアやクリエイターに求められる“思考”とは何なのでしょうか? 実は、プログラミングスキルだけでは不十分。相手に伝える力やアイデアを引き出すコミュニケーション能力がますます重要になってきます。本講座では、AIを使ったWeb開発の実例を交えつつ、「人間にしかできないこと」を最大限に活かすためのスキルや発想法をご紹介します。中学生の今だからこそ身につけたい、未来を切り拓く視点がきっと見つかります!

『デジタル社会の法制度 ウソをつく自由はどこまで認められるのか?』
明治大学 法学部 専任教授 佐々木 秀智先生

最近、ネットはフェイク(ウソ、偽)情報だらけだから法律で規制すべきだという議論が起こっています。昔からウソつきは周りの人から批判されてきました。しかしながら、ある程度のウソは許容されています。たとえば小説や映画などで用いられるフィクションというのは悪く言えばウソや妄想の塊です。また気象予報士が「明日は晴れるでしょう」といったのに雨が降ってしまったら、その予報士は処分されるのでしょうか?そこでは、妄想・虚偽や不確かな発言をしても許容されるべき場合・状況が一定程度認められなければなりません。
 この講座では、日本国憲法第21条が保障する表現の自由の中で、ウソを含む虚偽、不確かな表現がどのように位置づけられ、デジタル社会でどのように保障されるのか?について考えていきたいと思います。

『ゴムは何故あんなに伸び縮みするのだろう? ~物質の性質は構造が決めている~』
常務執行役員 CTO 兼Head of NOK R&D 佐藤 祐樹先生

理系の大学院を修了し,ゴム機能製品会社に入社してから30年以上,その研究開発に従事してきましたが,未だに,科学や技術に関する極めて基本的な事柄に関する学びがあります.そのいくつかをできるだけ分かりやすくご紹介します.今のところ予定している学びは以下です.結局,物質の様々な性質は,その物質がどのような構造で構成されているかで説明されるということ,その科学の面白さを日々実感しています,摩擦力は荷重に比例するけど,みかけの接触面積に比例しない?ゴムは固体?(ガラスは凍った液体?)そもそも固体・液体・気体という分け方はできない,秩序と無秩序の2つだけ?

『リニューアルされた恐竜博物館にバーチャル潜入しよう!VR古生物学2025!』
地球科学可視化技術研究所(所長)恐竜技術研究ラボ (CTO) 芝原 暁彦先生

福井県の恐竜博物館は2023年にリニューアルオープンし、現在も新しい展示や特別展がどんどん行われています。
さらに2025年には「恐竜学部」もスタートします。そんな最新の博物館で行われている最新研究をご紹介したいと思います。
また恐竜と最新のVR技術で、恐竜を教室に復活させます。

『広尾学園の高校生との人工衛星開発!宇宙への挑戦の成果と、将来の宇宙活用時代へ。』
株式会社ラグラポ 代表取締役社長 兼 CEO 高野 宗之先生

2024年12月。広尾学園の高校生と開発した人工衛星がロケットにて打上げられたのを、皆さんはご存知でしょうか?
三菱重工やJAXAにて「H-IIAロケット」や「国際宇宙ステーション補給機(こうのとり)」に携わってきた経験から、単なるプロジェクト規模の大小ではない相違点や共通点を掘り下げ、広尾学園の人工衛星開発や打上げの様子、この挑戦の成果をご紹介します。
さらに、将来、宇宙を活用した世界がどのように変化するかに触れ、皆さんの進路や夢の実現に向け考えていただく一助になればと思います。

『地球最古の生命の痕跡をさがしにいこう!』
名古屋大学理学部 地球惑星科学科准教授 地質・地球生物学講座 高橋 聡先生

みなさんが日頃踏みしめている大地には、大昔にできた地層が岩石になって残っています。このような地層には当時の地球環境や生物の営みが記録されており、それらを調べることで私たちの地球環境の過去を知り未来を考えることが出来るのです。講演では、そのような地層や化石を題材にして取り組んでいる研究の様子や大学の様子を紹介したいと思います。昨年実施したオーストラリアでの野外調査の様子なども紹介しようと考えています。

『福祉×農業。地域や日本を良くするための私たち挑戦』 どろんこ会グループ 株式会社ゴーエスト 株式会社南魚沼生産組合 株式会社Doronko Agri代表取締役 高堀 雄一郎先生

大学時代は学習塾を立ち上げ、不登校や障害児の学習を支援。結婚後は、自身が子育てする中で古い体質の保育業界の問題や女性が結婚を機に会社を辞めてしまう社会課題を知り、日本を変えていかねばと大手企業を辞め、「にんげん力。育てます。」を理念に保育園を立ち上げた高堀代表。25年かけて全国展開してきた保育事業、障害の有無関係なく全ての子どもが共に育つインクルーシブ保育や農業問題への取り組みなど、「アントレプレナーシップ(起業家精神)」で社会課題をどう解決しているか、今後の進路の参考にもなることをお話します。

『フリーランスで書いて生きていく』 ジャーナリスト・ライター 田中 圭太郎先生

私は42歳のときに19年勤めた放送局を退職して、以後、フリーランスのジャーナリスト・ライターとして書籍や雑誌、WEBメディアに文章を書いて生活しています。今年で10年目になります。
もの書きとして生きていきたい、と思っている方も多いかもしれません。ただ、メディアをめぐる状況は激変していて、紙からデジタルへのシフトが進んでいます。今後どうすればフリーランスで書いて生きていけるのか、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

『政治とカネのリアル・港区議会議員の仕事や報酬について大公開!』 港区議会議員 玉木 まこと先生

残念ながら日本では政治とお金の話がニュースで度々報道され、中学生の皆さんにとっては「政治家=裏金」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?私も政治家の端くれですが、皆さんの暮らしに一番近い地方議員として働いています。港区議会議員の報酬や選挙費用など、あくまで私の一例ですが、政治家のリアルをお話しできればと思います。そして、私が区議会議員を目指した動機や普段の議員の仕事を知ってもらい、皆さんの主権者としての意識や将来の行動に少しでも役立ててもらえたら嬉しいです。

『宇宙考古学への招待~エジプトと中国』
学習院大学名誉教授 鶴間 和幸先生 東海大学情報技術センター 惠多谷 雅弘先生

鶴間 和幸先生 「中国を最初に統一した始皇帝の陵墓はまだ発掘されていないが、その周辺の兵馬俑坑が1985年に発見され、50年もの長きにわたって発掘が続いている。私たちは衛星画像から始皇帝陵の周辺の遺跡の配置を明らかにできた。文字と考古史料だけではわからない事実が判明した。エジプトのピラミッドと始皇帝陵の墳丘の類似性を双方の遺跡の現場を歩くことによって確認できた。」

惠多谷 雅弘先生 「エジプトを対象とした遺跡探査に衛星データを活用し、王朝時代のナイル川と遺跡の立地境を理解することで、エジプト学史上初めてとなる王朝時代遺跡の発見と発掘に成功した。この発見で培った多くの知見は、その後の中国古代史の研究や、ベトナム、サウジアラビアの遺跡探査にも応用され、多くの成果をあげている。本講義では、「宇宙考古学」と呼ばれるこの新たな遺跡調査手法について、エジプト、中国などの調査事例を中心に詳しく紹介したい。」

『がんを治す新しい薬』 東京大学大学特任教授 内藤 幹彦先生

日本では過去70年間がんで亡くなる人が増え続けており、最近では日本人の4人に1人はがんで亡くなっていると言われています。
がんは治らない病気なのでしょうか?実際には新しい薬や治療法などが開発されたおかげで、がん患者さんの3分の2以上はがんになってから5年以上生きていて、治癒する人も少なくありません。講座ではがんを治す新しい薬についてお話しします。

『動画編集と生成AIのこれから』 演出・映像ディレクター 野上 ナオト先生

動画を身近に作れるようになった近年、縦型や横型動画など様々なフォーマットが登場し、私たちの生活やコミュニケーションの中で大きな役割を果たすようになりました。SNSの普及により短時間で視聴できる動画が主流となり、動画制作は特別な専門的なスキルがなくても気軽に取り組めるものになっています。その一方で、「どのようにすれば視聴者に伝わる動画を作れるのか?」といった課題に直面することがあります。

『AIエージェント時代の未来力 —変わらない価値観と変わりゆくスキル』 ITジャーナリスト 林 信行先生

これまでの生成AIブームに続いて、今年は「エージェントAI」と呼ばれる与えられた仕事をやり遂げる新しいAIの時代が到来すると言われる。さらにその先にはフィジカルAIが待っているとも言われる。変化が激しいAIの最新の潮流を学びつつ、この激しい進化の中で何が変化し何が変わらないのかをスマートフォン登場以後のデジタルテクノロジーが普及の歴史の流れを延長する形で学ぶ。次々と出てくる新しいテクノロジーに振り回されないためにはどうしたらいいかを学ぶ。また最近、ソニー重役など、何人かの専門家がAI時代こそ日本が強いと言っている背景にも迫る。

『Soup Stock Tokyo は、どうして人気が出たの?-ブランドを作るために大切な事-』
島根県立大学地域づくりコース講師 雨上(株)代表取締役 平井 俊旭先生

Soup Stock Tokyo というスープの専門店は、最初は、なかなか魅力を理解してもらえず会社は倒産しそうでした。そんな創業期から運営会社のSmilesのブランドディレクターとしてブランドづくりに携わって来た経験をお話しながら、新規事業を立ち上げる事の難しさや楽しさを知ってもらいたいと思います。今は大学教員として大学生に授業をしながら、地域を元気づける事の出来る学生を育成しつつ、自分の雨上(アメアガル)株式會社で民間企業のブランドづくりを行っています。

『彫刻家・修復家-つながる仕事-』 合同会社 藤白彫刻研究所代表 藤曲 隆哉先生

「絵を描いたり、彫刻を造ったり、それって仕事?お金になるの?」学生の頃は私自身も半信半疑でした。普段はどのように制作や修復、研究を行っているのか私の専門である文化財修理や作品制作の美術のお仕事の話をします。また、彫刻や美術は社会にどのように役に立つのでしょうか?という素朴な疑問に今年の講義の中では触れたいと思います。

『アーティストの仕事、アートマネジメントの仕事』
荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所/Reversible Destiny Foundationディレクター 本間 桃世先生

アーティストというとどんな人を思い浮かべますか?人類の歴史に「美」という概念が生まれたのは日本ではおそらく縄文時代に遡ります。それから何万年もの間に私たちは科学、哲学、芸術とともに文明を築いて来た反面、戦争や紛争は今日もまだ世界中で続いています。自然災害や争いを前にして、芸術は不要不急なのでしょうか?アートに出来ることとは?そしてそれをマネジメントするとは?
この講座では、芸術と社会の結びつきやその役割について、また、芸術に携わる仕事について、講演者自身の経験を元に、みなさんと共に芸術/アートの世界の豊かさについて考えたい。

『憎しみの連鎖を解き、テロや紛争のない世界を創る ~国際NGOで働くという選択~』
NPO法人アクセプト・インターナショナル 海外事業局 松下 真菜先生

アクセプト・インターナショナルは、世界で起きているテロや紛争の解決を目指し、アフリカや中東、南米の紛争地で活動する国際NGOです。武器を手にしてテロや紛争に関わってしまった若者が、暴力に頼ることなく、再び社会で生き直すことができるよう支援を行なっています。平和の実現に向けた具体的な活動の紹介はもちろん、紛争解決や平和構築に関わる仕事は様々ある中で、なぜ日本発のNGOとして私たちがこの問題に取り組むのかをお伝えします。併せて、いわゆる国際協力に携わる自身のキャリア選択についてもお話しいたします。

『価値をデザインする』 多摩美術大学・特任准教授 丸橋企画株式会社・代表取締役 丸橋 裕史先生

地域創生や事業開発、みなさんが知っているようなおなじみの商品開発、そして生活に触れる政策の立案など、様々な利害関係者と、どのように手を取り合い、共創していくのか。それらを考え方だけでなく、実際に取り組んだプロジェクトをもとにひもときながら皆さんにお伝えできたらと思います。
みなさんが将来、特定のフィールドに縛られず、領域を横断をしながら活躍できる人になるためのヒントになれたら嬉しいです。

『知能の数理:賢いAIと賢くないAIは何が違うのか』
名古屋大学情報学研究科准教授 丸山 善宏先生

人工知能は現在も日進月歩で進化し続けており、その勢いは未だとどまるところを知りません。我々の生活・産業にも知識の生産にも大きなインパクトを与え、今後さらに世界のあり方を変容させてゆくと考えられます。しかし、人工知能にもよくできたものとよくできていないものがあり、すべての人工知能がうまく動くわけではありません。すなわち、賢いAIと賢くないAIが存在します。本講座では、人工知能をその数学的諸原理にさかのぼることで、賢いAIと賢くないAIは何が違うのか、難しい予備知識を仮定することなく、その本質に迫ります。

『動物の心臓外科の世界 ~止めた心臓は再び動き出す~』
オリーブ動物医療センター 取締役 兼 院長 三村 貴大先生

私は獣医師です。まずはこの資格を持っているとどんな仕事ができるのかについて一般的なお話もします。その中の小動物臨床獣医師というのは専門的な手術から、行動異常(吠えたり、噛みついたり)の相談までたくさんのことを日々の仕事とします。今年は心臓外科の手術動画を増やしよりわかりやすくお話します。心臓を完全に止めて行うこの手術。なぜ心臓は一度止まっても動くのか。多くの困難を抱えても究極の外科に挑む理由とは。命と向き合うとはどういうことなのか。生きてく上で大切なことを心臓が教えてくれます。眠くならない講義にしようと思います。ぜひお会いしましょう。

『何もできない外国人が外部環境が原因で努力できない人に機会を与えるには?』
NPO法人結び手 代表理事 福岡 洸太郎先生

国際支援、協力のバックグラウンドも専門知識もない中で「外部環境が原因で努力できない人」に機会を提供するという目的のみを持ってインドに乗り込み貧困現場にて活動する7年間をお話しします。
全くのゼロからはじめ、基礎教育の地域は20を超え、生徒は1,500人を超え、女性の自立支援として50名以上を支援し、また今も拡大し続けるその活動とはどのようなものなのか、またなぜインドなのか、なぜこの活動なのか、どのような人生を歩んできたのか包み隠さずお伝えします。

『防災数学』 明治大学理工学部数学科 専任教授 矢崎 成俊先生

数学の技術を学ぶと,自然と数学的な考え方を身につけることになります。数学的な考え方は,一つのものの考え方ですから,数学以外の事象にも適用できます。タイトルの防災の「災」は災害で,地震,台風などの天災を想像しますが,病気,怪我,事故などの災いも避けたいものです。例えば,インフルエンザやコロナなどの感染症の流行,そして流行のみならず,それに伴う行動制限などもすべて避けたい災いです。このように「広い意味での災い」に対して,数学的な考え方で「身に降りかかる災いを未然に防ぎ,災いから未来を紡ぐこと」を目的とした数学を防災数学と呼びました。講演者の造語です。講演では中学や高校で学ぶ数学に防災という光を当ててみてみようという試みをお話します。

『人類は再び月へ! ~月、その先の宇宙へ~』
元JAXA宇宙教育推進室長 佐賀県立宇宙科学館館長 渡辺 勝巳先生

第二次世界大戦後の米・ソの冷戦を背景として両国によって繰り広げられた激しい宇宙開発競争により、1969年、アメリカはアポロ11号で月面着陸を成功させ、宇宙開発競争は終結しました。宇宙開発は競争から協調へ、国威発揚から実利用へと進み、宇宙ステーション計画が進行しています。アポロ計画から50余年、現在、国際協力の「アルテミス計画」で再び月を目指しています。この計画では日本も大きな役割を担い、日本人宇宙飛行士も月面に降り立つことも計画されています。これまでの宇宙開発の流れ、そして人類の宇宙に向かう姿について考えてみましょう。

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